月別一覧:2017年02月

弁護士事務所の健康診断

一般企業では年に一回の従業員の健康診断が義務付けられています。

弁護士が一人だけの弁護士事務所などは、ついつい健康診断をさぼりがちにあってしまいますが、事務員がいる場合などは事務員に対して健康診断を受けさせる義務が生じます。

弁護士は弁護士事務所がある都道府県の弁護士会に所属していますので、弁護士会の方で年1回、もしくは2回健康診断を開催していることが多いです。

ほとんどの場合で弁護士の保険組合の方から健康診断の費用の助成があるため、無料もしくは安価に健康診断を受けることができます。

弁護士会がおこなう健康診断の対象は弁護士のみではなく、弁護士事務所に勤務している事務員なども含まれるため、福利厚生の一環として健康診断を行うのは従業員に対しても良いことです。

自己負担額は検査の内容にもよりますが、0~15,000円ほどであるので、従業員の自己負担額を弁護士事務所で負担すると、福利厚生を厚くすることができます。

ですが「弁護士会の行う健康診断は安価だから助かる」だけでは済まない場合があります。

多くの弁護士会の健康診断は日数が数日間だけと決っており、しかも会場が1カ所であることがほとんどです。

そのため、多忙な弁護士だと利用しづらいとの声も聞かれます。

また、弁護士事務所が会場からかなり離れたところにあると、健康診断の日は弁護士事務所を休所したり、交通費が多くかかり自費で近くの病院で健康診断をした方が安かったりと言う事もあるため、何が何でも弁護士会の健康診断を使う必要はないと言えます。

しかし、従業員に対して健康診断を行う義務はあるため、弁護士会の健康診断を受けるのが困難である場合には、代わりの健康診断を探しておく必要があります。

リースは弁護士事務所にとって得?

弁護士事務所を開設する際に費用を少しでも抑えるべく、机やコピー機・パソコンなどのすべての事務機器をリースにする弁護士事務所もあります。

リース代は必要経費として認められるため、経理的にも優れていると考えることができますが、本当にリースは得なのでしょうか?

リースの大きな利点としては、リース会社のメンテナンスがある点です。

定期検査はもちろんの事、故障時には修理もしてくれるため、安心して使うことができます。

リース契約によっては、自然故障に対するメンテナンス料に関しては、無料としているものもあり、購入品のように「保障期間が切れているから、修理費がかかるからどうしよう」となる事も少なくて済みます。

もう一つの利点が、リース品が古くなった場合には交換してもらえることがある事です。

リース品は1年もしくは数年の契約更新になるため、契約更新時に現在使っている機種よりも新機種に交換してくれることがあります。

リース料が高くなることもありますが、リース料が変わることなく型落ち品として上位機種に交換と言うケースもあります。

リース会社は新機種が出るたびに、弁護士事務所に紹介をするため、それが面倒くさいと思うかもしれませんが、反対に考えれば普段は耳にしない新機種や新機能を知ることができるので、それにより弁護士事務所の作業が分と効率よくなる可能性もあります。

もう一つの利点が、数の増減に対応してもらいやすい点です。

「弁護士のもう一人雇ったので机と電話・パソコンを増やして欲しい」、「二人いた事務員を一人にしたので、一人分のリース用品を引き上げて欲しい」と言う場合に、リースであればリース会社が柔軟に対応してくれることがほとんどです。

購入に比べて永続的に経費が掛かるという点がありますが利点も多いため、弁護士事務所時の開所時はリースをし、経営が軌道に乗った時点でリースの継続か購入を検討したらよいでしょう。

裁判所の近くの弁護士事務所はもう古い?

弁護士事務所の所在地を見ると、その地方の裁判所の近くに多くあることが分かります。

弁護士事務所が裁判所に近ければ、訴状を出したり、裁判所に出向く際に時短になりますので、ある意味理にかなっています。
そのため、「最高裁判所や官公庁のある東京の千代田区(霞が関)に弁護士事務所を構える」と言うのがある種の弁護士のステータスとなっていたこともあります。

現在もその考えが残っていると言えますが、今はそれが崩れつつあります。

今や弁護士はインターネットで探す時代であるため、弁護士事務所がどこにあるかは重要視せず、弁護士報酬の安さや紛争解決の手腕を重視する傾向が強くなっているからです。

大手企業や超資産家であれば、「霞が関」と言うブランドをありがたがるかもしれませんが、今はそういう時代ではなくなりつつあります。

地方でも、そういった考えは波及しており、一昔前は地方裁判所の近くに林立していた弁護士事務所は、ビジネス街や繁華街など人が集まる場所に新たに開所することが多くなっています。

地方裁判所と町の繁華街が離れている場合にはその傾向が顕著で、「より人目に触れやすく、より相談者が来やすい場所に弁護士事務所を開所する」と言うのは、若い弁護士ほど多くなっています。

不動産の賃貸相場の面からみても、昔ならば大家も「地方裁判所の近くだし、弁護士事務所で募集すればいくらでも店子はいる」と、強気の賃料設定をしていたこともありますが、今では不況も相まってわざわざ高い賃料の地方裁判所の近くに弁護士事務所を借りる利点が薄らいできています。

そのため、一時は弁護士街と有名だった一角が、まるでさびれた商店街のように「貸事務所」の入居者募集の看板が並んでいる地方都市もあります。

弁護士事務所のセミナー

一昔前の弁護士事務所が行うセミナーと言うと、市民団体や行政機関などの要請で、弁護士が会場に出向いて行うのが普通でした。

しかし、現在では弁護士事務所自体が主催するセミナーが多くなっており、大手の弁護士事務所では、自身の弁護士事務所内にセミナーのための会場を持ち、定期的にセミナーを行っています。

弁護士事務所自身がセミナーを行う利点としては、セミナーの参加費による収入が挙げられます。

1時間5千円ほどのセミナーであっても、参加者が10人いれば5万円、20人ならば10万円となるのですから、集客の見込みがあり会場費が安価か無料であれば、準備を含めても十分ペイできるからです。

また、連続して同一テーマで違う内容のセミナーであればリピーターも期待でき、同じ内容であっても一定期間を開けて開催すれば新たな顧客が来る可能性があるため、一度セミナーのための書類を準備すれば、法令の改正部分を手直しするだけで使いまわしが出来る利点があります。

それ以上の利点が、セミナーの参加者から依頼人が発生しやすい点です。

例えば、相続に関するセミナーの参加者は、相続問題を抱えていて興味を持っているから参加するため、顧客となりやすいと言えます。

しかも、有料のセミナーであればある程度経済的に余裕がある人や、相続問題に対して真剣に考えている人が多いため、無料相談に来る相談者よりも、より依頼をしてもらえる確率が上がります。

とはいえ、個人の弁護士事務所では定期的な開催が厳しいので、数人の弁護士が集まり持ち回りでしているところもあります。
このような場合には、相続や離婚問題など専門分野があまりかぶらない弁護士同士でする方が、お互いのセミナー時に専門分野外の依頼人が出た場合には紹介しあえる利点があるといえます。

ファイルにセキュリティはかかっていますか?

「教職員が児童の個人情報の入ったノートパソコンの盗難にあった」、「大手会社の顧客情報の入ったUSBメモリが紛失した」と、個人情報に関するデータの紛失のニュースがたびたび報道されています。

もともと、こういった団体や企業などでは、個人情報の方持ち出しは禁止されているとこが多いのですが、「ノートパソコンは自分のもので、仕事と兼用して使っていた」「休日に家で仕事をしようとした」といった理由で後を絶ちません。

弁護士事務所も弁護士が一人のところも多く、「この続きは家に持って帰ってするか」なんてことはないでしょうか?

そんな時に、顧客情報や重要書類の入ったノートパソコンやUSBメモリが盗難や紛失してしまうと、弁護士事務所の信用問題だけでなく、顧客への損害賠償の話へと発展しかねません。

ノートパソコンは起動時にパスワードの入力を必要にすることで、ある程度のセキュリティを保つことができますが、完全ではありません。

インターネットでも、ノートパソコンの起動時のパスワードを忘れた時の無効化の方法が公開されていますので、あまりパソコンの知識がなくても解除されてしまいます。

そのため、ファイルに対してアクセス制限をかけると、セキュリティの強度が上がります。

ワードやエクセルなどのオフィスのファイルであれば、保存時に「保存オプション」でパスワードの設定ができます。

しかし、ファイルを開くごとにパスワードの入力が必要になるので、面倒だと感じるかもしれません。

主にUSBメモリでデータのやり取りをするのであれば、パスワードロック機能搭載USBメモリを使用するのが手軽です。

USBメモリに登録されたパソコンだとパスワードの入力不要で開くことができ、未登録のパソコンであればパスワードの入力が必要となる機能がついているものもあります。

弁護士事務所と自宅のパソコンを登録しておけば、パスワード不要でデータの読み込みができますし、紛失時にもセキュリティがかかっているためあわてなくて済みます。