弁護士事務所間の価格競争
法律事務所システムソフトThemisの開発リーダーの田原と申します。
「弁護士報酬は高い」と言うのが10数年前までの世間での認識で、実際今でもそう思っている方も多数いらっしゃいます。
弁護士事務所のサイトなどで弁護士報酬の目安を見てみると「○○万円~」となっているものが多く、一般の人からすると「どのくらいかかるかわからない。」と思ってしまうのも、そういった考えになる一因なのかもしれません。
逆に弁護士事務所側から見てみると、弁護士・司法書士・税理士が以前は専門分野ごとに棲み分けをしていたのですが、それが崩れてきているため弁護士事務所間だけでなく、他の業種の事務所との価格競争に巻き込まれている現状もあります。
しかも、司法試験制度が変わり弁護士数が増えたので、必然的に弁護士事務所が増加した上に、ネット社会の現在では地域的な垣根も低くなっているため、近隣の弁護士事務所と弁護士報酬での価格競争となることも多くなっています。
分かりやすい例が、過払い請求の弁護士報酬です。
2010年の貸金業法の改正時には、過払い請求の弁護士報酬は過払い金の30%~40%としているところも少なくなく、しかも着手金や別途経費が必要になり、弁護士報酬が非常に高額となるケースもありました。
そのため日弁連も過払い請求の弁護士報酬の上限を設けたのですが、その後テレビCMやインターネットなどで過払い請求のことが広く世間に知られたこと、弁護士事務所の価格競争が激化したことなどで、自然と全体的な過払い請求の費用が下がった経緯があります。
弁護士報酬の基準は一度決めてしまうと、そのままにしてしまう弁護士事務所も多いのですが、景気の動向や近隣の弁護士事務所の報酬などをリサーチして、こまめに見直すことも必要となるかもしれませんね。
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弁護士事務所も服装規定が必要?
法律事務所システムソフトThemisの開発リーダーの田原です。
近年、服装規定が緩くなっている会社も珍しくなく、IT系のベンチャービジネスの会社では服装が自由どころか、社長がアロハシャツで出勤するくらいのところもあります。
橋下大阪市長は、政治家になる前はバラエティ番組などにジーパンとTシャツで出演していて、「弁護士のイメージを壊した弁護士」として有名ですし、また、先日某番組で弁護士が、「裁判所に行ったら、相手側の弁護士が金髪のギャル満開の女性弁護士でびっくりした。」と言っていました。
しかし、弁護士事務所で弁護士や事務員がこういった服装をしていたらどうでしょうか?
相談者は弁護士事務所には悩みの解決に行くのですから、話しやすい雰囲気作りは必要ですが、あまりにもフランクすぎると「この法律事務所は大丈夫かしら?服装からしていい加減だし、話やすいといっても馴れ馴れしい感じがする。」と、マイナスにとられてしまいます。
日本人は特に制服に弱いと言われています。
何も悪いことをしていなくても夜道で制服姿の警察官とすれ違う時に身を固くしたり、ATMで銀行員の制服を着ている女性に声をかけられても、「ああ、銀行の人か」と安心したりと、制服がその職業のイメージと直結しているため、制服を着ている人に安心したり警戒したりします。
「弁護士=法律家=固い職業」とのイメージは世間に広く浸透しているため、「弁護士は背広・スーツ」と言うのがスタンダードになっています。
逆に言えばそれ以外の服装であると、相談者に違和感を与えてしまうと言うことになります。
冒頭に書いたジーパンやTシャツ姿であったり、金髪のギャル風の服装の弁護士であったりすると、同様の服装をした相談者でも受け入れられないことの方が多く、結果として「人を選ぶ弁護士」となってしまいます。
やはり、服装は相談者に安心感を与えられる背広やスーツの方が無難だといえます。
事務員には弁護士事務所指定の制服を支給すると、事務員が2人以上いた時でも社外の人から見ても違和感が少なく、事務員も毎日の服装を考える必要がないのでお勧めです。
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ダブルライセンスは弁護士事務所の看板となるのか?
法律事務所システムThemisブログをご覧いただきありがとうございます。
開発担当の田原です。
十数年前からの資格ブームで、いろいろな資格を複数持つ人がいて、中には何十、何百もの資格を持つ「資格マニア」と言う人もいます。
資格の中のツートップともいえるのが、弁護士と医者と言えます。
弁護士の中には医師免許を持つ「ゴールドライセンス」と言われる方々いますが、日本国内では30人に満たない人数だと言われています。
司法試験・医師免許は難易度が高いだけでなく、合格免許取得までの修了期間が長く、多額の費用も掛かるため、現実的にゴールドライセンスは非常にハードルが高いものだと言えます。
このゴールドライセンスを取得している方々が大活躍されているかと言うと、正直微妙です。
医師として活躍するのであれば弁護士資格を得る必要はありませんし、弁護士として活動するのであれば「医療系の訴訟に強い」と弁護士事務所の看板となるかもしれませんが、弁護士の腕とは別にみられるため、「苦労して両方とった割には…」と言うのが正直なところのようです。
ですが、弁護士がそれ以外の資格を持つことが無意味だと言うわけではないようです。
公認会計士の資格を取って直接的に仕事に生かしておられる方もいれば、心理カウンセラーの資格を取得して、面談した相談者の話をうまく聞き出せるようになり依頼率をアップした弁護士事務所もあるそうです。
また、女性の弁護士ではフラワーアレンジメントを習い弁護士事務所に花を生けるのはご自分でされている方や、船舶免許を取って休日はマリンスポーツ三昧で過ごすといった、趣味のためのライセンスを取られる方もいます。
趣味のライセンスであるから仕事に直結しないと言うことではなく、「仕事とプライベートのオン・オフがしっかり出来るので、仕事のストレスが少なくなった。」「新しく友達になった人から、相続問題の依頼を受けた。」と、間接的に仕事のプラスになっている人もいるので、少し視野を広げてみると新しい発見につながるかもしれませんね。
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弁護士事務所の銀行口座
法律事務所システムThemis開発担当の田原です。
個人経営で始めた弁護士事務所も、事務員を雇ったり弁護士を増やしたりして規模が大きくなり、法人化するところもあるのではないでしょか?
弁護士事務所の法人化に伴い、個人名で開設していた銀行口座を、法人名義の口座を開いて移行しなければいけないのですが、どうも一筋縄ではいかないようです。
まず、休眠法人の銀行口座は振り込み詐欺などに利用されることがあるため、銀行によっては新規の法人口座の開設を断るところもあるそうです。
弁護士事務所ならば、審査で断られると言ったことは少ないでしょうが、ないとも言い切れないため、注意が必要です。
また、法人口座は個人口座と比べて開設までに時間がかかることが多く、個人口座は即日開設できる銀行でも、法人口座ならば必要書類が多いうえに、使えるようになるまでに1カ月程度かかると思っておいた方がよいでしょう。
他にも、法人口座は口座開設費や口座維持費がかかる銀行もあるため、「口座は開設したけれども、あまり使わないのに毎月口座維持費がとられる。」と言うケースもあるので、口座開設前に複数の銀行を検討した方がいいです。
法人が開設できる銀行は、ゆうちょ銀行・都市銀行・地方銀行・ネット銀行の4種類があるのですが、ゆうちょ銀行は残高が1000万までなのでほとんどの弁護士事務所では除外だと思います。
残りの都市銀行・地方銀行・ネット銀行ですが、それぞれに特色があります。
地方を基盤とした営業をしている弁護士事務所であれば、使い勝手の良い地方銀行で開設するのも一つの手です。
また、新規融資などの相談もしやすいため、都市銀行などよりも有利であり場合もあります。
都市銀行は法人口座開設の審査が厳しいですがある程度の信頼性を与えることができるため、全国に対応している弁護士事務所などこちらの方がお勧めです。
しかし、口座維持費がかかり、振込手数料もほかの銀行に比べて高いことが多いため、過払い金返金などで振込の多い弁護士事務所であれば、振込手数料だけで年間数十万円となることもあります。
ネット銀行は、24時間ネットで振り込みや残高確認ができ、口座維持費が無料で振込手数料も格安の銀行が多いです。
しかし、保守的な取引先ではネット銀行を嫌う傾向があり、融資では地方銀行よりも融通が利かないことがあるため、セカンドバンクとして使う弁護士事務所もあります。
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弁護士とハッピーリタイア
法律事務所システムThemisブログをご覧いただきありがとうございます。
開発リーダーの田原と申します。
日弁連の「ハッピーリタイア発言」が、波紋を起こしています。
簡単に言うと「若手の弁護士は、早めにリタイア(ハッピーリタイア)するためにも、老後の資金を貯めてね。」と言う内容です。
弁護士は定年がないため、死ぬまで弁護士として働くことができます。
そのため、高齢化した弁護士が既存の顧客を抱え込んでおり、若手の弁護士の入る隙間がないとも言えます。
また、司法試験の改定により合格者が増えているにもかかわらず、弁護士に依頼する数は年々減っているとの統計も出ており、まさに「少ない牌を弁護士同士が取り合っている」状態です。
しかも、司法書士や税理士などと業務が重なる分野では、格安を売りにしている司法書士事務所や税理士事務所もあり、まさに戦国時代とも言えます。
その中での「ハッピーリタイア発言」は、弁護士事務所の経営状態のみならず、弁護士業界全体の状況を把握しているのかな?と思ってしまいます。
もし、死ぬまで遊んで暮らせるほどの資金があれば、「弁護士の仕事が大好き!」という人以外はハッピーリタイアをしている弁護士がほとんどでしょう。
でも、実際は若年弁護士事務所では年収がサラリーマンにも満たない貧困層が多くいますし、ベテラン弁護士でも依頼が減ったことにより困窮し、依頼人のお金を着服したりする不祥事を起こしたりと、「弁護士事務所は思ったほど儲けられない」と言った状況が透けて見えます。
「弁護士は法の番人」との言葉がありますが、弁護士事務所経営と考えれば儲けが出なければ成り立たないのも事実です。
弁護士事務所内のコストカットのために設備やシステムを整えたり、依頼効率を上げるための経営戦略も必要となってくる時代なのかもしれません。