弁護士事務所間の価格競争
最終更新日: 2015年10月30日 – 2:03 PM
法律事務所システムソフトThemisの開発リーダーの田原と申します。
「弁護士報酬は高い」と言うのが10数年前までの世間での認識で、実際今でもそう思っている方も多数いらっしゃいます。
弁護士事務所のサイトなどで弁護士報酬の目安を見てみると「○○万円~」となっているものが多く、一般の人からすると「どのくらいかかるかわからない。」と思ってしまうのも、そういった考えになる一因なのかもしれません。
逆に弁護士事務所側から見てみると、弁護士・司法書士・税理士が以前は専門分野ごとに棲み分けをしていたのですが、それが崩れてきているため弁護士事務所間だけでなく、他の業種の事務所との価格競争に巻き込まれている現状もあります。
しかも、司法試験制度が変わり弁護士数が増えたので、必然的に弁護士事務所が増加した上に、ネット社会の現在では地域的な垣根も低くなっているため、近隣の弁護士事務所と弁護士報酬での価格競争となることも多くなっています。
分かりやすい例が、過払い請求の弁護士報酬です。
2010年の貸金業法の改正時には、過払い請求の弁護士報酬は過払い金の30%~40%としているところも少なくなく、しかも着手金や別途経費が必要になり、弁護士報酬が非常に高額となるケースもありました。
そのため日弁連も過払い請求の弁護士報酬の上限を設けたのですが、その後テレビCMやインターネットなどで過払い請求のことが広く世間に知られたこと、弁護士事務所の価格競争が激化したことなどで、自然と全体的な過払い請求の費用が下がった経緯があります。
弁護士報酬の基準は一度決めてしまうと、そのままにしてしまう弁護士事務所も多いのですが、景気の動向や近隣の弁護士事務所の報酬などをリサーチして、こまめに見直すことも必要となるかもしれませんね。