郵便料金の改正の弁護士事務所への影響
2017年6月1日から郵便料金が改正されました。
郵便料金の改正の目玉は、ハガキの52円が62円へと10円の値上げのほか、定型外郵便の規格外の設定と新料金の設定です。
この郵便料金の改正が弁護士事務所に影響があるかというと、大きなものではないと言えます。
定形外の料金も長辺34㎝・短辺25cm・厚み3㎝・重さが1kg以内であれば、5月31日以前の定形外の金額と変更がないため、A4以下のサイズの書類を送ることが多い弁護士事務所には、ほぼ変わりがないと言えます。
ハガキが1枚当たり10円の値上げですが、守秘性の高い書類を送ることの多い弁護士事務所で、ハガキを送るシチュエーションは年賀状か暑中見舞いと言った程度で、年間の郵便料金の中で占める割合は小さいと言えます。
今回の郵便料金の改正の背景には、人件費などの輸送コストの増大のほかに、近年増加したネットショッピングやオークションの郵送へのけん制とも取れます。
以前の定型外郵便の規定では、「1辺の長さが60㎝以下で、幅・長さ・高さの合計が60㎝以下・4㎏以下」であれば、全国どこへでも重量別の定額で送ることができました。
そのため、比較的小型の商品であれば宅配便で送付するよりも、かなり安価で送付することができ、おおよそ1kg以下の商品ならば保障がないことを了承できれば、ネットショッピングでも安価な商品は定形外の発送を行っていました。
しかし、今回の改正で500g以上で厚みが3㎝以上ある規格外の物品を送る際には、定形外よりも宅配便で送った方が安くなる運送会社が出るなどの逆転現象があります。
メールでのやり取りが増えるなか、紙媒体の書類でのやり取りが絶対的に無くならない弁護士事務所においては、将来的に定型外郵便の値上げがあった際には、大きなコストアップになるかもしれません。