弁護士は勝つことだけが仕事ではない?
Themis開発をしております、株式会社システムキューブの田原です。
弁護士事務所の相談に来る人たちは、様々な問題を抱えてきているのですが、すべての人が裁判で勝訴にこだわったり、相手方を法的に打ち負かしたかったりするわけではないようです。
「親の遺産相続で兄弟ともめているが、法定相続割合で決着できないだろうか?」
「交通事故の過失割合が3:7なのだけど、こちらにそんなに非があると思えないのでせめて1:9にならないか?」
「ご近所との問題を抱えているが、この先も住み続けることを考えると、穏便に解決したい。」
など、「問題は解決したいのだけど、こちらが裁判で勝ちすぎて向こうに恨まれるよりも、和解などである程度円満に解決したい。」という考えの方も多くいます。
弁護士事務所の方針によっては、「完全勝訴を常の目標とする」のを信条にしているところもあるでしょうが、このような場合で勝訴だけにこだわってゴリ押しをしてしまうと、訴訟相手側だけでなく依頼主にも不満を抱かせてしまう結果となります。
一見すると、勝訴を得るよりも難しいようにも思えますが、お互いに有責のある離婚裁判や、感情論が複雑に絡まりあった相続問題などでは、勝訴よりも和解の方がいいと言う事はよくあることです。
このような案件を専門に取り扱っている弁護士事務所は、熟練した弁護士が話の落としどころを把握しているため、話の主導権を握り相手方や依頼主を誘導しつつ、「痛み分け」と言う形で和解に持ち込むようにしています。
そのため、裁判ではなく事前の話し合いで和解したり、1度目の裁判で裁判官からの和解勧告に従わせたりするなどが大半になります。
裁判数の事例は少なくても取扱案件数が多い弁護士事務所は、和解で相談案件を解決していることがうかがえるため、「弁護士に相談したいけれども、裁判まではちょっと…」と思っている相談者はそういった弁護士事務所を選ぶ傾向がありますし、「負担の大きい裁判よりも、和解での円満解決を第一優先します!」とのキャッチフレーズを用いる弁護士事務所もあります。