行列のできる弁護士事務所は本当に繁盛してる?
飲食店などでよく繁盛している店を、「行列のできるラーメン店」「行列のできるスイーツ店」など、「行列のできる○○」と言う風に表現したりします。
テレビ番組でもそれにあやかって、「行列のできる法律相談所」と言うものがありますが、実際に「行列のできる弁護士事務所」があったらどうでしょうか?
繁盛していてうらやましいと思う弁護士事務所もあるかもしれませんが、経営的な面からみるとマイナスだと言えます。
ラーメンのように画一的かつ安価で、食すことによりすぐに消費され、翌日にも同じものが大量提供されるというのであれば、「行列のできる店」と言うのは経営戦略的には有効であると思えます。
しかし弁護士事務所は、悩みを抱えた人が悩みの解決のために訪れ、しかも画一的な対応では済まず、しかも一般人からすれば弁護士費用は決して安いものではありません。
弁護士事務所を飲食店で例えれば、「1日に2組の予約客しか受け付けておらず、しかも客の好みの応じた食事を丁寧に提供する最高級店」と言ったところでしょうか?
弁護士事務所はそもそも論で、「予約客がいっぱいになって行列を作るようでは、弁護士事務所の処理能力オーバーをしている」と言うことになります。
弁護士事務所によっては面談の予約がいっぱいになっていて、初回の方は3カ月待ちというところもありますが、よっぽどのことがない限り「弁護士事務所に行く気持ち」は冷めてしまいます。
弁護士に相談する時点で「すぐに解決をしてもらえないかな?」と言う期待を抱いて連絡をしてきているのに、「3か月後」と言われてしまうと、期待外れと感じたり、その間に別のところを見つけようと思ったり、状況が変わって相談すらする必要がなくなったりする危険性があるからです。
そうなると、カレンダーの予定はいっぱいだが、実際には直前にキャンセルとなったり、ひどい場合には当日に連絡もなく来ないということがあったりと、弁護士事務所からすれば無駄が生じてしまいます。
繁盛するのは喜ばしいことですが、繁盛しすぎて客を待たせすぎるのも考えものなのかもしれません。