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弁護士事務所の法人化のメリット・デメリット

普通の個人商店であれば、従業員が増えたなどの理由から株式会社などへの法人化をするところもあります。

有限会社が廃止となり、一般的には株式会社の設立しか法人化する方法がなくなりましたが、従業員が1人でも株式会社の設立ができるため、個人経営でも株式会社となっているところもあります。

弁護士事務所は司法書士事務所などと違い、平成14年の法律改正により弁護士1人だけの事務所であっても法人化することができます。

ですが、「従業員どころか弁護士が一人だけ」という弁護士事務所ではメリットが少ないと、法人化までは考えない方が多いと思います。

しかし、本当にメリットが少ないかというとそうでもありません。

確かに、法人化するにあたり法人登記などの手続きが必要になったり、それにかかる費用が発生したりします。

また、個人で支払っている弁護士会費に加え、弁護士事務所に対する弁護士会費に支払いも発生するため、経費の面だけで見ると経営が順調な弁護士事務所でないと難しいと言った点は否定できません。

しかしながら、厚生年金や厚生健康保険の加入は法人加入でなければ出来ないため、「国民観光保険が高額すぎる」「長期に雇っている従業員の福利厚生も考えないといけない」と言った場合には、メリットがあります。

これまで個人名でしていたリース契約や事務所賃貸契約なども法人名で出来るため、弁護士の公私を分けることができます。

また、弁護士事務所を法人化することで、在籍している弁護士が死亡した際に他の弁護士に弁護士事務所を譲渡しやすくなるメリットがあります。

親子2代で弁護士となっている場合、父が亡くなって息子が弁護士事務所を引き継ごうとした際に、「事務所の賃貸人の名前が父なので、継続して借りられなかった」「弁護士事務所の事業資金も父名義となっていたため、遺産分与で兄弟に分けなければいけなくなり、経営が難しくなった」という問題が出てくる可能性もあるため、事前に法人化するとそういったことが避けられます。

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