顧客とは対等な立場に
「お客様は神様です」
この言葉に泣かされた弁護士事務所の方もいるのではないでしょうか?
もともとは歌手の故三波春夫氏が、「舞台に立つ時は、お客様と神様として見て、神聖な気持ちで完璧な歌を捧げる」という意味で言われていたのですが、現在はクレーマーの文句として有名になっています。
三波春夫オフィシャルサイトでも、その誤用に対して見解を陳べているのですが、まだまだ正しく理解している人は少ないようです。
弁護士事務所にかかわらず、店(商売人)と客は対等な立場であり、店から提供されるサービスや販売される物品に対して、客は対価として金銭を払うということなので、双方に優劣はないことになります。
しかし、客からは、「お金を払っているのだから、店に対しては何をしてもいい」「特別扱いしないのならば、二度と買い物をしない」との文句を聞きます。
ですが店からすれば、「店のルールを守れないのであれば、入店禁止」「一人の客のために、多くの客が不快に思ったり、迷惑を被ったりするのならば、買っていらない」という権利も認められています。
弁護士事務所のケースで見ると、顧客が「依頼料を支払っているのだから、全部面倒をみろ」と、弁護士を便利屋のごとく思っていて、依頼外の無理難題を押し付けてくることがあります。
反対に、弁護士事務所が「依頼を受けてやっただけでもありがたいと思え」と言うような高圧的な態度に出て顧客が委縮してしまい、「○○弁護士事務所は、高い金をふんだくるのに、偉そうにしているだけ。」と、ネットなどに書かれて大打撃を受けることがあります。
対等な立場と言うとビジネスライクな冷たい関係のような感じがしますが、実際はお互いが信頼して正しいサービスを与え、対価を得ると言うことなので、実際はシンプルな事です。
特に弁護士ならば、高圧的な態度やへりくだった態度をとるよりも、顧客の信頼を得て顧客とは対等な立場をとり続けた方が良い場合が多くあります。