弁護士事務所と消費税
弁護士事務所は、年間の売り上げが1000万円を超えるところも珍しくありません。
そういった弁護士事務所では、所得税や法人税が百万単位になる事もあり、納税の時期になると頭を痛める弁護士も多数います。
税金は前年度の収入を基準に課税されるため、弁護士事務所を立ち上げた初年度は税金がかからなかったりするケースがあり、2年目・3年目に多額の課税に驚くと言う事があります。
しかし、それ以上に問題があるのが消費税です。
現行の消費税は8%なので、1500万円の売り上げがあるのであれば、消費税だけで105万円にもなります。
物販などの仕入れのある業種であれば、仕入れ時の消費税を既払い分と出来るのですが、弁護士事務所の場合は「弁護士の技術料」と仕入れのないものによる収入となるので、売り上げのほぼ100%に消費税が課税されることになります。
経営的に赤字であっても消費税の支払いを免れないので、消費税の支払いの段階になって大慌てで金策に走る弁護士事務所あります。
消費税は基本的に前々年度の売り上げが1000万円を超えている場合に課税されるため、1000万円以下ならば課税されない「小規模事業者に係る納税義務の免除」の制度を利用して、年間の売り上げを1000万円未満に抑える弁護士事務所も多くあります
また、消費税は一括納付が基本ですが、税務署と相談の上分納とすることも出来ます。
ですが、売り上げが多額となると年2~11回の消費税の納付が義務付けられますので、弁護士が4・5人在籍しているような弁護士事務所では、ほぼ毎月消費税の支払いが発生することになります。
他にも、出資金が1000万円を超える場合には初年度から消費税が課税されたり、前年度の上半期(半年)で課税対象となる売り上げや給与が1000万円を超える場合には、翌年より消費税を課税されることになります。
弁護士事務所の経営が順調なのは良いことですが、伏兵ともいえる消費税の納税には注意をした方が良いでしょう。