弁護士事務所で専門性を掲げる際の注意
最終更新日: 2016年5月31日 – 1:22 PM
法律事務所向けシステムThemis開発担当の田原です、お世話になっております。
弁護士の資格があれば、法律全般に対しての権限を広く持つため、借金問題・離婚問題・不動産問題・紛争問題・刑事事件と、弁護士事務所が取り扱える法律関係の案件の種類は多岐に亘ります。
ですが、一つの分野に特化した弁護士事務所も少なくなく、「借金問題専門弁護士事務所」や「離婚問題に強い弁護士事務所」と言った専門性を前面に押し出した広告をしている弁護士事務所も少なくありません。
以前は日本弁護士協会では、「『専門』という表現はなるべく控えるように」との見解を出していました。
専門と呼べる弁護士の基準があいまいで、その分野の案件しか引き受けてない事なのか、その分野の案件に対する解決率が非常に高いのか、その分野の案件を取り扱いだしての経験年数なのかなど、どこでその線引きをするかが決められなかったからです。
たとえば「ラーメン専門店」とラーメンしか販売していないお店が、必ずしも老舗でおいしいラーメン店かと言えばそうと言えないように、専門性を謳った弁護士事務所であっても、長いキャリアがあったり、案件の事例や判例に精通していない弁護士が経営している場合もあります。
ですが依頼する側からすると、専門性の高い弁護士事務所の方が個別性の高い問題に細かく対応してもらえるので、そういった弁護士事務所を選ぶ傾向が高いです。
そのため、日本弁護士連盟でも「専門弁護士の指定」が議題として挙がったのですが、基準や選定方法などの問題があり実現していません。
「専門」と弁護士事務所に看板を掲げるのならば、「離婚相談取扱件数○○件」「20年以上の実績」など、具体的な数字で実績を強調する方が良く、広告の表示方法としてもそちらの方が推奨されています。