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イソ弁・ノキ弁の事情

Themis開発をしております、株式会社システムキューブの田原です。

弁護士の勤務形態を表す言葉に、イソ弁・ノキ弁があります。

弁護士事務所に給料をもらいながら在籍するのが居候弁護士(イソ弁)、弁護士事務所の名前を借りて活動をするが給料がもらえず、自分の弁護士活動で利益を得るのが軒先を借りている弁護士(ノキ弁)と言います。

新米弁護士や経済的に余裕のない弁護士からすると、イソ弁・ノキ弁はありがたい勤務形態と言えます。

弁護士はもともと閉鎖的な業種であったため、「先輩のいる弁護士事務所にお世話になろう」や「同じ大学卒業の先輩弁護士を頼ろう」と、大学の関係や友人関係のツテで就職することが多かったです。

また弁護士事務所を経営している弁護士も、「後輩の弁護士が一人前になるまでは、面倒見てやろうか」と言った気風があったのですが、近年では不況などの理由から減ってきています。

ある弁護士事務所が人手不足からイソ弁の募集をしたところ、一人の枠に対して30人近い応募があり、いかに個人で弁護士の仕事をするのが難しいことであるかがうかがえます。

減りつつあるイソ弁と比べ、増えているのがノキ弁です。

ノキ弁側からすると、電話代・事務負担費などがある場合もありますが自分で弁護士事務所を経営維持するよりも安く済み、老舗の弁護士事務所であれば看板力があるため、信頼度もあり広告をしなくても集客できる長所があります。

さらには、仕事がいっぱいの先輩弁護士から仕事を回してもらえる可能性もあるので、在籍出来るだけでも御の字と言うノキ弁もいます。

一方、ノキ弁を雇っている弁護士事務所は、弁護士を雇っていても費用が掛からないだけでなく、反対にフランチャイズ契約のように一定の事務負担費がもらえるため、経営が楽になります。

たま、依頼が重なり新規の依頼を受けられない状態でもノキ弁に依頼を回すことで、ノキ弁からは感謝をされ、依頼者に「多忙で断られた。」との悪印象を与えずに済むので、お互いに利点があるそうです。