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弁護士事務所の敷居を下げた方がいいのか?

株式会社システムキューブで法律事務所専用システムThemis開発担当の田原です。

「弁護士事務所に行って、法律相談をしてきてください。」と一般人が突然言われたのならば、ほとんどの人が嫌だなぁと思うことだと思います。

「弁護士に依頼するのはお金がかかりそう。」

「裁判になったら判決までに時間がかかるから、あきらめた方が早い。」

「弁護士に法律のことを言われてもよくわからない。」

と、「金額が高い・解決までに遅い・内容が難しい」と、某ファーストフード店の「安い・早い・うまい」の真逆のイメージで、敷居が高いと感じがちになります。

そのため、ソフトイメージで売り込んでいる弁護士事務所や料金の安さを前面に押しだした弁護士事務所など、いわゆる敷居を下げて相談者数を増やそうとする弁護士事務所も多くみられます。

もちろん、その経営方針も一つの戦略と言えますが、敷居を下げる戦略は長く持たないと言われています。

マクドナルドが日本に上陸した際は、ビックマックの価格は当時の物価からすればかなり高く、「特別な日の食事」としてとらえられていました。

しかし、バブルの崩壊などから低価格路線へ転換し敷居を下げると、一時はファミリー層の気軽なランチとしての立場を確立しましたが、結局利用するのが「低価格しか支払わない客層」となってしまい、現在高級路線へと転換しようとしても客が付いてこない状態になっています。

つまり弁護士事務所でも、売りが弁護士報酬の安さだけであれば、顧客層はおのずと低所得の人が多くなり、客筋としてはあまり芳しくなくなります。

しかも、「報酬が安い弁護士事務所だから。」と顧客の方も弁護士に対して足元を見ることとなり、弁護士事務所の方は「顧客のために相談しやすいように努めて、弁護士報酬も安くしているのに。」と思っていても、結果としては自分を安売りしているような状態で、長期的に見れば弁護士事務所の価値を下げ続けていることになります。

「顧客が来やすいように敷居を下げる=弁護士事務所の価値を下げる」と言うこともあるため、明確な線引きが必要なのかもしれませんね。