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あえて広告をしない弁護士事務所

弁護士数の増加に比例して、弁護士事務所の数も増えてきており、まさしく弁護士事務所は群雄割拠の時代になっています。

そのため、広告活動や集客活動に熱心な弁護士事務所も増え始め、今や飽和状態になっていると言えます。
インターネットの弁護士事務所のサイトを作り、ネット広告は当たり前。

法律相談も初回30分は無料など、いい意味でも悪い意味でも「一般人に親しみやすい弁護士事務所」の雰囲気づくりに、日々腐心されています。

逆にそういった広告活動や集客活動に疲れて、ほとんどそういった活動をしない弁護士事務所もあります。

ある弁護士の方は以前よりブログを書くことが趣味で、弁護士事務所の事はもちろん、日々の普通の出来事や、最近読んだ本の内容、趣味のアウトドアスポーツの事を長年つづられていました。

内容の楽しさと、軽快な文体から訪問数の多い弁護士ブロガーの一人でした。

弁護士事務所の広告が解禁となった時、この弁護士も自分のブログに自分の弁護士事務所のリンクを張り付け、毎日の日記の下に弁護士事務所のバナーを表示するようにしました。

そうすると、もともと人気ブロガーであったために、日本中から依頼が殺到し、事務所の予約は半年以上先までいっぱいになってしまいました。

これだけ聞けばうらやましい話ですが、実際には違いました。

人気ブロガーの顔を見たいだけの冷やかしが多く、中にはドタキャンする者もあらわれましたが、「ドタキャンか単なる遅刻か」の判断がつかず、結局予約でとっている30分間を無駄に使うことが多くなりました。

さらには、依頼をする気になってはくれているものの、無料相談の場合にはやはり金銭的に困窮している方が多く、実際の依頼までには結びつかないと言ったことから、自身のブログと弁護士事務所のリンクは大々的に行わないようにされました。

もちろんすべての弁護士事務所がこのようなことになるとは限りませんが、あえて派手に広告活動を行わないというのもいいのかもしれません。